マンションをなるべく高く売却するためには、事前に物件の価格相場を調べておくことが重要です。マンションの売却相場は不動産会社に査定依頼をすると分かりますが、不動産会社によっても査定額は異なり、なるべく安く買い取りたいという意図が働くこともあるでしょう。
この記事ではマンションの売却価格を確認するための相場の調べ方や、高く売却するために何に注意したらよいのかといったポイント、また売却にかかる費用についてご紹介します。
自分で物件の価格相場を調べることで不動産の知識が身につき、損することなく売買できる可能性がうんと高まるでしょう。
不動産の売却相場の調べ方
実際に自分で相場を調べるには、いくつかの方法があります。今はインターネットで簡単に情報収集ができるので、パソコンやスマホで使えるサービスがたくさんあります。
自分が住んでいるマンションの過去の取引価格や現在の売出価格、事例が少ない場合は近隣で似ている物件の事例を探して参考にするとよいでしょう。
次に、主な相場の調べ方をご紹介します。
「不動産取引価格情報検索」を利用する方法
実際の成約価格の情報が出ているサイトもある。それが国土交通省の「不動産取引価格情報検索」サイトだ。
このサイトではまず、取引の時期を2012年から四半期ごとに選ぶ。直近の情報については過去1年間か2年間分をまとめて検索することも可能だ。
次に不動産の種類について、「土地」「土地と建物」「中古マンション等」などから選ぶ。すべての種類を選択することもできる。
さらに地域の絞り込みは住所から探す方法と、路線・駅名から探す方法があり、住所から探す場合は町名まで絞ることができる。また、画面に表示された地図から駅名をクリックして検索することも可能だ。
公示地価・基準地価を調べる
このほか、土地の価格相場を知るのに役立つのが公示地価や基準地価(都道府県地価調査)など地価の情報サイトだ。公示地価は毎年1月1日時点、基準地価は同7月1日時点の地価を不動産鑑定士が調査しているもので、どちらも国土交通省のサイトで検索できる。
公示地価と基準地価は、土地取引の指標として同省が位置づけているものだが、どちらも一定の地点を継続的に調査しているものなので、すべての土地の情報が分かるわけではない。地価公示は全国で2万6000地点、基準地価は2万2000地点弱に限られる。
路線価図を調べる
売りたい土地そのものの価格を知りたい場合は、路線価図を見る方法がある。路線価は相続税などの計算で地価を評価するときに利用されるもので、道路ごとにそこに面する標準的な土地の平米単価が千円単位で記されている。土地が面する道路に書かれた金額に土地面積をかければ価格が計算できるのだ。ただし、2つ以上の道路に面した土地や、特殊な形をした土地などは計算方法が異なるので注意しよう。
ちなみにこの路線価は公示地価の8割を目安に国税庁が価格を定めている。また、固定資産税を計算するときの土地の評価額は、公示地価の7割が目安だ。このように公示地価(基準地価もほぼ同水準)はさまざまな地価を計算する基となる価格だが、実際に取引される価格とは必ずしも一致しない。
不動産会社のサイトを調べる
もっともオーソドックスな方法は、不動産のポータルサイトでの相場調査です。
SUUMO、HOME’S、アットホームなど多くの不動産ポータルが存在します。エリアや駅からの徒歩分数、築年数別、専有面積などで検索できますので、近い条件の物件を参照してみましょう。
これらのサイトでは数多くの物件を扱っていて、購入希望者が常に比較検討しています。売却を希望している人は同程度の物件の中から自分の物件を購入してもらう必要があるので、不当に高い金額を提示することはおすすめできません。
掲載されている物件価格は特殊な事情がない限りは相場の範囲内に収まるため、売出価格の参考にできます。マンション名で検索すれば、自分が住んでいるマンションが見つかる可能性もあるでしょう。
レインズマーケットインフォメーションを調べる
レインズマーケットインフォメーションは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している情報サービスです。
民間の不動産ポータルとは異なり成約価格が登録されているため、より信頼度が高まります。
レインズには過去に売買された不動産物件の情報が登録されており、間取りや平米当たりの単価、築年数などの条件で絞り込みができます。ただし、本来は不動産会社しか利用できないサービスであるため、一般の人が見られる情報には制限があります。
例えば、物件の住所の詳細やマンションの名前、階数などは非公開です。
その代わり、成約時期を指定したり、築年数×平米単価の分布がグラフで見られたりするので、民間の不動産ポータルと併用することで精度の高い判断が可能になります。
中古マンション価格天気図を調べる
中古マンション価格天気図は、東京カンテイが毎月公表しているレポートです。全国の不動産取引の状況を、天気図になぞらえて表現するユニークな内容となっています。
取引状況は「晴れ・薄日・曇り・小雨・雨」の5段階で表現され、それぞれ「上昇傾向」「やや上昇傾向」「足踏み傾向」「やや下落傾向」「下落傾向」を表しています。
価格天気図のメリットは、不動産取引相場を視覚的なイメージで理解できる点です。市場の傾向を簡単に把握でき、毎月動向を見ていくことで今後の市場の推移を推し測ることも可能になるでしょう。
まとめ
中古マンションを売却する際は、ご自身で相場を調べることで安値で売却してしまうリスクを抑えられるでしょう。
売却相場は、マンションがあるエリアや築年数などで異なります。
レインズマーケットインフォメーションや土地総合情報システム、不動産会社の査定などの方法で価格相場を調べたうえでマンションを売りに出すことが大切です。