木造住宅に比べ、鉄筋コンクリートのマンションは寿命が長いと言われています。しかし、構造にかかわらず築年数に応じて不動産価値が下がっていくのが一般的です。
マンションは年数がたてば他の不動産同様、建物の劣化が進むため、一定の年数を経ると建物の価値がなくなると考えられています。また、新築マンションや建設されてから日の浅いマンションの需要は依然として高く、築年数が経つほど売却が難しくなります。
この記事では、そのような中、中古マンションをできるだけ高く売る為の方法について詳しく解説します。中古マンションの売却を検討しているなら、ここで紹介したポイントを押さえてスムーズな売却を目指しましょう。
古いマンションの定義とは？
そもそも古いマンションとはどのぐらいの年数を経過した物件を指すのでしょうか？
日本では築40年前後のマンションを古いマンションとして扱います。古いマンションは他の中古物件と比べ売りづらくなります。
一戸建ての場合、築20年程度で中古物件となりがちですが、マンションの場合は鉄筋コンクリート造の建物が多く、ある程度強固に建てられていれば筑40年程度までは普通の中古物件として扱われます。
築40年以上経過していても構造のしっかりしたマンションであれば売れることもありますが、一般的に築年数が経つほど売りにくくなります。
古いマンションが売れない理由
古いマンション、と設定される物件の築年数は様々ですが、古くなればなるほど売りづらくなります。また、築年数の古い分譲マンションは、以下の理由から売却が難しいと言われています。
ローンを組みにくい
現在、マンションを含む住宅購入する人のほとんどが住宅ローンを利用しています。
住宅ローンを利用するには審査に合格する必要がありますが、審査でも築40年前後の建物が審査通過の基準点となるため、これ以上古い物件だと融資を受けることが難しくなります。何故なら、40年経過した物件は、資産価値が低すぎるため、ローンの担保として扱わらず、これが原因でローン通過が難しくなるのです。
耐震基準に適合しない
1981年6月以降に建築確認を受けたマンションは新耐震基準、それ以前は旧耐震基準となります。
旧耐震基準では、震度5強程度でも建物が倒壊しない基準が定められていましたが、この時期に改正され、震度6強以上でも倒壊しないように構造基準が定められました。
つまり、現時点で築40年以上経過したマンションは大地震で倒壊するリスクが高いということです。
とはいえ旧耐震基準は、建物が震度5強に耐えられるかどうかのみでしたので、かならずしも震度7の揺れに100％耐えられない、というわけではありません。しかしながら耐震の重要性は年々一般に浸透しており、「近い将来地震は起こらないから大丈夫」と楽観視する人は減っており、耐震対策ができていないマンションはどうしても敬遠されてしまいがちです。
古いマンションを高く売るには?
これまで説明したとおり築年数の古いマンションは、なかなか売却できないケースがほとんどです。それではどのようにしたら高く売却できるのでしょうか？
ここでは古いマンションを高く売る為のポイントについて詳しく解説します。
不用意にリフォームしない
古いマンションはフローリングや壁紙が傷んでいることが多く、設備も古くなっているケースが多いでしょう。そのため売却前にリフォームを考える方もいらっしゃるでしょう。しかし少しでも高く売りたいのであれば、リフォームせずそのまま売却することをおすすめします。
理由は、府リフォームしてもその費用を回収できる金額で売れない場合が多いからです。
またマンションをリノベーションしたい購入者も多数いますので、リノベーションを売主が行うと費用が無駄になってしまいます。よって少しでも高く売りたい場合は、リフォームを行うかどうかをよく検討してから売却することが大切です。
きれいに清掃する
中古マンションの売り主の中には、不動産会社に丸投げ、という方も多くいらっしゃいます。
実際の営業活動は不動産会社に一任されますが、掃除や片付けなどは売り主の仕事です。不動産会社の営業活動が順調に進んでいても、部屋の中がきたない状態だと、購入見送りとなってしまう可能性もあります。
いつでも見学いただけるよう、積極的に掃除・片付けをしましょう。
余裕があれば、水回りや玄関など劣化が目立ちやすい箇所のハウスクリーニングを依頼するのも一つの方法です。配管周りなど、第一印象に大きく関わる部分に絞れば、数万円程度で依頼できます。
価格を高めに設定する
周辺の中古マンション価格と築年数から平均価格を算出し、相場を把握して高めの売却価格を設定するようにしましょう。最初に高めの価格を設定しておくことで、後で価格交渉をしても予定価格で売却できる場合があります。
高めの設定で売却できる場合もありますので、なるべく高い売却価格を提示するように心がけましょう。ただし、相場から大きくはずれた価格を設定すると、買い手が見つからず売れ残りになる可能性もあるので注意が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか？
古いマンションを売却したい場合は、早めに手続きを進めることをおすすめします。そうすることで、無駄な年月が過ぎてしまうのを防ぐことができます。
また、2023年以降は分譲マンションがますます売れにくくなるリスクがあるため、相場が安定しているうちに売却したほうがよいでしょう。
大切な資産売却の為慎重になる方もいらっしゃるでしょうが、できるだけ早く売却することこそよい結果を生むことになるでしょう。
